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マスタークラス [音楽]

今日はギター文化館で大萩康二さんのマスタークラスを受けました。受講曲は「12月の太陽」。キューバの作曲家Rey Guerraが大萩さんに献呈した曲です。

演奏を終えると、先ず曲のイメージを聞かれました。
キューバには行ったことがありませんが、南国のイメージがあります。
北回帰線の通るこの国は12月とはいっても暖かですが、ジリジリと照りつける真夏の太陽と比べれば、少し和らいだ日差しでしょう。波の打ち寄せる浜辺で沈む夕陽を見る・・・楽譜からはそんな情景が思い浮かびます。

そんな感想を述べたら、大萩さんは更にキューバからアメリカに渡った作曲者の心情にも触れたお話をしてくれました。目の前で1963年作のブーシェを奏でる彼の演奏は素晴らしく、受講中であることも忘れて、つい聴き入ってしまいました。

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レッスンを終えた後、我が家から歩いて15分ほどにあるTさんのお宅にお招き頂いて夕食をご一緒しました。この農家は築130年、大黒柱の他に戎柱など七福神全ての神様を祀った柱が支える重厚な古民家です。囲炉裏にはしゃも鍋をつるし、手作りのヨモギ餅をかざした炭の傍で岩魚を焼き、旬のタラの芽や桜の花の天ぷらなど、八郷の春満載の心づくしのおもてなしを頂きました。

Pablo Marquez ギターコンサート [音楽]

今日はギター文化館にPablo Marquez さんのコンサートを聴きに行きました。
プログラムはNarvaez、Bach、Schubert、Ginastera 、それぞれルネッサンス、バロック、ロマンそして現代を代表する作曲家の作品でした。

驚いたのは音の美しさと多様性です。Robert Bouchet の流れを汲むDaniel Friederich から奏でられる音の多様性とダイナミクス・・・それぞれの時代の音楽が異なった色遣いで描かれた絵のようで、とても同じ楽器から奏でられたとは思えません。息を飲むように彼の音楽の世界に引き込まれて行きました。

演奏中の集中した表情とはがらりと変わって、温厚で当たりの柔らかい人柄も魅力的でした。

昨年のJudichael Perroy に続いて、日本では殆ど聴くことが難しい素晴らしい音楽家を招致してくれる樋浦靖晃さんに感謝したいと思います。

目から鱗 [音楽]

毎晩寝る前に布団の中で分厚いペーパーバックを読んだからか
軽トラ一杯の樫の薪割りをしたためか
斜面のシノ竹を刈り続けたせいか
はたまたギターの練習のし過ぎか

これといった原因は今ひとつ良く分からないのですが、昨年末から徐々に左肘に違和感を覚え、この所左手で指板を押さえると、痛みが走ってギターを弾くことができません。

左手が使えないこともあって、先週のレッスンの時先生にその旨をお話して、右手の基礎練習をお願いしました。

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ギターは左手で指板を押さえ、右手で弦を弾きます。右手は長さや弦に当たる角度の違った4本の指で6本の弦を上下に移動しながら弾くので、美しく均質な音を安定して出すためには、右手も左手と同様に基礎技術をしっかりマスターすることが必要です。それでも、普段右手はあまり意識しないためか、これまで右手だけの基礎練習をすることはありませんでした。

いくつかのアドバイスを頂いた後、先生が「この曲を練習してみましょう」と言って、ソルの練習曲集の中の一曲を示しました。左手を使わずに右手だけで弾くと、もちろん曲にはならないのですが、普段何となくおかしいと思っていた演奏の原因がどこにあったのかがはっきりしました。

腱鞘炎のお蔭で「目から鱗」でした。何が幸いするかわかりませんね。

晴耕雨楽 [音楽]

八郷に来てからの晴れの日は野良仕事、雨の日は音楽を聴いたりギターの練習など、『晴耕雨読』ならぬ『晴耕雨楽』のスローライフとでも言いましょうか・・・

今年の米作りも一段落して、今日は久しぶりにゆっくり音楽を聴きました。

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バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ・・・壮大なフーガを含む三つのソナタと、舞曲から構成された三つのパルティータが、表情を変えながらもまるでひとつの組曲のようなこの曲を、3人の異なった演奏スタイルで聴いてみました。

ヘンリク・シェリング(Henryk Szering)

現代ヴァイオリンの大家のひとり、シェリンクの演奏です。ポーランドに生まれ、デビュー後の青春期を第二次世界大戦のさなかに過ごした彼は、終戦の10年後、37歳の時に全曲を録音していますが、このディスクは1967年、49歳の時にスイスでなされた二度目の録音です。1980年代にクレメール(Gidon Kremer)や後述のクイケンが出現し、それまでのロマン的な演奏が「まるで墨絵に油絵の具を塗りたくったようだ」と批判され、以降盛んになったオリジナル楽器によるピリオド演奏との議論が尽きませんが、和声と対位の造形美を端正に表現する彼の演奏を聴くほどに、バロック音楽のポリフォニーの奥深さに引き込まれます。

シギスヴァルド・クイケン(Sigiswald Kuijken)

バロック・バイオリンによる演奏。1980年代初頭にセンセーションを巻き起こした一度目の録音から約20年後になされた二度目の録音です。古楽器の演奏では、一般に現代の調律より半音階程低く調律をしているので、音のきらびやかさが少し控え目な半面、落ち着いた雰囲気です。演奏スタイルの違いには、現代ヴァイオリンと異なるコマの形状が弓使いに影響しているかもしれません。

ポール・ガルブレイス(Paul Galbraith)

彼は元々は6弦ギターを弾いていましたが、現在は8弦ギターをチェロと同じスタイルで演奏しています。旋律楽器であるヴァイオリンのために書かれた曲を、ギターで弾くと原曲とは全く異なった印象を与えますが、ガルブレイスの演奏を聴くと、ソナタ第二番のグラーヴとフーガは、まるでチェンバロのために書かれたような錯覚を覚えます。どの弦を弾いても倍音が響くギターという楽器の特徴で、ポリフォニーの声部それぞれを個別に消音しなければならないという高度な技術が要求されますが、フーガでは鍵盤楽器に近いギターの強みが発揮されると感じます。実際バッハは無伴奏ヴァイオリンパルティータ第三番をリュート組曲第四番として、同じ曲をヴァイオリンとリュートのために書いているので、彼自身の発想は案外自由だったかもしれません。

ギター弾きっこの会 [音楽]

今日は我が家で「ギター弾きっこの会」を開きました。お誘いしたのは私と同じく角圭司先生にギターを習っているNさんとTさん。もちろんお二人ともギター愛好の士ですが、半分は「私の手打ち蕎麦で釣る」形です。

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普段一人で練習していると、独りよがりな演奏になってもなかなか気づきません。人前で弾くとなると曲を仕上げる気持ちの真剣さも増しますし、お互いに忌憚のない意見を交換できます。

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製作家の違うギターを弾きっこしたり、他の人が弾く自分のギターの音を客観的に聞くのも、新しい音作りのヒントになります。

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新たなレパートリーを知るのも大きな楽しみでした。

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ギターに編曲されたバロック時代の作品を、オリジナルの楽器で聞いみると、3人それぞれに感じ方が違っていて面白いものです。

お二人はこれまで著名な演奏家のマスタークラスを受けたり、既にコンクールの入賞(優勝)も経験していて、その演奏を聴いたり、普段のギターに向かう姿勢について話を伺って大変参考になりました。

これからもこういう場を持ちたいと思います。

サマースクール [音楽]

先週末から3日間現代ギター社主催のサマースクールに初めて参加しました。場所はこの季節には珍しく、長袖が欠かせない程に冷え込む那須高原の奥深いコテージ。

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もともと建設会社の研修所として建てられたこの施設は、緑あふれる敷地内に、宿泊用のコテージと

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研修施設、


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食堂などが程良い距離感をもって配置されていて、小グループの活動と全体講義など、様々な形での研修が心地よい環境で効率良くできるように設計されています。

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10数棟あるコテージには、それぞれ宿泊用の個室が数室と

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吹き抜けのガラス窓から木々の緑が差し込むレッスンルームがあって、音楽をするにはうってつけの環境です。

スクールの内容はプロギタリスト7人による個人レッスンとアンサンブルのレッスン、藤井圭吾さんの集中講義、それにプロを目指す若手に対する福田進一さんのマスタークラスなど、密度が濃いものです。

参加者の年齢は、単身で参加した8歳の少女から70歳を超える人まで、行く行くは明日のギター界を担うであろう若い世代から、青年時代の情熱を蘇らせて再びギターを手にした還暦過ぎの人まで幅広く、それぞれに楽しみ方は違っても、ギターという楽器を通じて、少しでも音楽の高みに登ろうとする35名の生徒が集まりました。

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私の宿泊したコテージでは大萩康司さんによるアンサンブルレッスンが、最終日の発表会に向けて夜中まで続きました。このセミナーで初めて音を合わせる皆さんですが、見る間にアンサンブルが仕上がって行く様には感心します。

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最終日の発表会のトリは、国際コンクールなどで入賞経験のある若手ギタリストによる四重奏。さすがに圧巻でした。

私自身は新井伴典さんにバッハの作品を、藤井圭吾さんにヴィラロボスの作品を見ていただきましたが、集中講義や他の生徒さんたちのレッスン、マスタークラスの聴講も含めて、これからの練習に動機づけとなる多くのことを学んで、大変刺激を受けた3日間でした。


記憶に残るもの [音楽]

デジタルレコーダーなるものを買いました。

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Roland R05 WAV/MP3 recorder です。 買おうと思ったきっかけは、引出しの奥に入っていたカセットテープ。40年近く前に録音したギターの演奏テープでした。

今聴いてみると、当時の思い出とともに懐かしさが湧いてきます。何曲かは再び弾くことがないだろうという感傷もあるかも知れません。

これからはこのレコーダを使って、少しずつ自分の弾いた曲を残しておこうと思います。



坂本九さんの心に沁みる歌でした。

Duo Palissandre [音楽]

今日はフランスのボルドーから素敵なDuo Palissandreがやって来ました。

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1998年に結成してから15年、いくつかの国際コンクール二重奏の部門で優勝をしたお二人は、美しい音色と豊かな表現力、そして何よりも息の合った演奏で、古典から現代にいたる幅広いレパートリーを楽しませてくれました。

コンサートの後、是非にと希望されて

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ギター文化館の名器トーレスや

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ラミレスを弾いたお二人は

小さな胴体から部屋いっぱいに響く素晴らしい音色に驚きを隠しませんでした。

日本は初めてとのことですが、お箸でおそばを食べたり、演奏の後は八郷の温泉に浸かったりと、日本に親しみを持ってくれたようです。

新進気鋭のギタリストたち [音楽]

昨日、今日と東京国際ギターコンクールの二次予選と本選を聴講して来ました。

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会場の日経ホールに向かう途中、休日の皇居周辺は車もなく、多くの人たちが散歩やジョギング、サイクリングなどを楽しんでいました。

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さて、コンクールの方ですが、14人の二次予選通過者の中から本選に残ったのは得点順に

藤元高輝
Andrey Parfinovich (Russia) 
Florian Rarousse (France) 
Andres Campanario (Spain)
Oegmundur Thor Johannesson (Iceland)
小暮浩史

さんの6人でした。

本選の演奏時間は必須課題曲のエキノクス(武満徹)を含めて一人30~40分、ルネサンス、バロック、古典、現代まで、各自非常に難度の高い楽曲が演奏されました。

私の感想(演奏順)

Andrey Parfinovich さん
若干ゆっくり目のテンポと重厚な音で奏でるオーソドックスなスタイルの演奏。現代曲ではもう少し奔放さが出た方が楽しめるかと思いました。

小暮浩史さん
旋律が非常に良く歌われて聴く人を魅了します。ただ、この強みを生かそうとした(?)ことが、逆に楽曲の解釈を狭めたかもしれません。

Johannesson さん
チェンバロの様な音色で奏でられるルネサンス、バロックの演奏は、静謐に染み入るようで独特の世界観を持っています。ただ古典や現代曲を弾いてもどうしてもこのイメージから抜け切れない感じがします。

Florian Rarousse さん
暖かく透明な音色と、どんなに早いパッセージでも音の混じることが無い流れるようなテクニックに基づいた深い音楽的表現は素晴らしく、聴く人を惹き込む力を持っています。第1曲目途中で演奏が止まり、頭から弾きなおしたのが惜しまれます。

藤元高輝さん
高難度の曲を弾きこなすテクニックに裏付けられ、バッハ、レゴンディ、ヘンツェのそれぞれの楽曲の特徴を幅広く表現しました。演奏者の人となりでしょうか、個性が色濃く出ることはありませんが、このことが却って幅広い楽曲の個性を楽しめる妙味につながると感じました。

Andres Campanario さん
二次予選のバリオスが素晴らしく、本選のバッハやスカルラッティをどのように聞かせてくれるか楽しみでしたが本選に現れず残念です。

Rarousse さんと藤元さんの二人が素晴らしく、どちらが1位か興味があるところでしたが、審査の結果は藤元さんが1位、Rarousseさんが2位でした。ともすると曲の選択が得意な楽風の曲に偏りがちな出場者の中で、バロックからロマン、現代作家の作品の特徴を的確にとらえ、しっかりと弾き切ったことが優勝の一因かと思いました。

3、4,5位は小暮さん、Parfinovichさん、Johaneessonさんでした。

優勝トロフィーを受け取る時に、感極まって目に涙をためていた藤元さんですが、促された挨拶ではしっかりとした口調で、「反省すべき点も見つかったので、これからも精進を続けたい」と語ったのを聞いて、将来が楽しみだと感じました。

コンクールは二日間、延べ約12時間にわたる長丁場でしたが、既にプロとして演奏活動をしている人も含めて高い技量を持った演奏家たちが、研究と研鑽を重ねた楽曲をベストを尽くして弾くので、普段のコンサートとは違った緊張感の中で素晴らしい時間を過ごしました。

普段の演奏会ではなかなか聴くことのできないような曲も多々あるので機会があれば皆さんも是非足を運んでみられると良いと思います。

ギタリストの思い出 [音楽]

今日は風もなく薄日が差す穏やかな日曜日。一昨日東京ギターカルテットの演奏会を聴く前に、現代ギター社のショップで見つけた渡辺範彦さんのライブ演奏CDを聴きました。

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渡辺さんに初めてお目にかかったのは1969年7月、第11回パリ国際ギターコンクールで優勝される3ヶ月前のことでした。オスカーギリアのマスタークラスを聴講した後、当時ギターを習っていた鷹野誠二先生の門下生の方と一緒に現代ギター社にお邪魔して、ギター製作者の河野賢さんと渡辺範彦さんにお会いする機会がありました。

大きなコンクールを控えて大切な時期であったと思いますが、丁度食事時だからと親子どんぶりをとってくれて、色々とお話を聞かせて頂きました。当時22歳、河野賢さんと交わされる会話の端々から、真摯な人となりが感じられ、純粋に音楽に打ち込んでいるという印象でしたが、素晴らしい演奏を聴かせてくれたその手が私よりひとまわり小さかったのは驚きでした。

CDの音源は40年前に録音されたアマチュアのオープンリールテープだそうですが、その素晴らしい演奏は時を越えて心に響きます。

ミニコンサート [音楽]

今日は瓦谷にあるお食事処「まんまや」へ、岡田渉さんのクラリネットと船本貴美子さんさんのピアノによるミニ・コンサートを聴きに行きました。渉さんはここのオーナーのご子息で、先日食事に伺った時にお誘いを受けていたのです。

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オーナーご夫妻は八郷が気に入り、古民家を改装して私たちと同じ頃に移り住みました。

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お店の中はお二人の配慮が行き届いていて、落ち着いた雰囲気です。

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桃の節句のこの季節、可愛らしい木目込みの立ち雛が茶棚の中に飾ってありました。

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初めに心づくしのお膳を頂いた後で

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演奏が始まりました。

プログラムの中ほどで歌曲「早春賦」の演奏が始まると、突然厨房付近から演奏者のお姉様のソプラノが会場に響き渡り、素晴らしい歌声に皆思わず聴き惚れてしまいました。このご一家ではいつも家の中に音楽が絶えることはなかったのでしょうね。

**の手習い [音楽]

今年からギターのレッスンを受けることにしました。学生時代以来、実に数十年ぶりのことです。これまで何となく弾いていて、自己満足の感が否めなかったからです。そして今日が初日。

かつて学生時代に習った技法は時代と共に全く変わっていて、先生の指摘する一言一言に戸惑いながらあっという間に時間が過ぎました。

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しばらくは色んな曲に浮気することなく、練習曲でしっかりと新しい技法を身につける必要があります。今の演奏技法が学生時代にあったらという思いはありますが、それだけギター音楽が発展途上にあったということでしょう。これを回り道と思うか新たな進歩への出発点と思うかは難しい所ですが、しばらく頑張ってみようと思っています。

それにしても長年身に着いた癖を直すのは根気のいることです。

青春切符 [音楽]

この週末は芦屋で開かれた大学時代のクラブのOB会に行ってきました。茨城空港から神戸空港へひとっ飛び。事業採算で何かと議論を呼んだ茨城空港ですが、まるで私がOB会に参加するためにあるような便利なフライトなので利用させてもらいました。

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高度が随分低いので富士山のすぐ上を飛行します。

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さて少し遅れて会場となった貸切のお店に行くと、すでに宴はたけなわ。津軽三味線とフラメンコの競演やら、ラテンのリズムに全員参加

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今年は10回近くものステージを踏んで円熟味を増してきたタンゴバンドも、歌手を伴って迫力のある演奏を聞かせてくれました。

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売り出し中の若手プロも参加してくれましたが、人生百戦錬磨の諸先輩は、プロの演奏後も臆せずに続々とステージに上がり、正午に始まった『飲み食い兼演奏会』は延々と7時間続きました。

さすがに今年は大阪に一泊し、翌朝一番のフライトで戻りました。

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帰りの航路からは北アルプスや上信越の山々を堪能することができました。

特急往復でさすがに疲れたけれど、何だか青春切符を使ったような気分で、また音楽をやろうかと刺激を受けました。

ディヌ・リパッティ [音楽]

12月3日・・・60年前の今日、ルーマニアのピアニスト、ディヌ・リパッティが33年の短い生涯を終えました。その二ヵ月半前、悪性リンパ腫により重篤な状態にありながらブザンソンで奇跡ともいわれる演奏をしました。燃え尽きようとする命の最後の輝き。曲は

   パルティータ第1番変ロ長調BWV825(バッハ)
   ピアノソナタ第8番イ単調K310(モーツアルト)
   即興曲Op90D899 第3番、第2番(シューベルト)
   14のワルツ(ショパン)

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先日、学生時代から持っていたLPを処分してCDを買いました。類まれな才能に恵まれたリパッティが、深い感動を持って聴いたクララ・ハスキルのモーツァルトと共に。

録音は古く音質は余り良いとは言えませんが、きらめく音の流れに引き込まれます。

馬頭琴 [音楽]

今日は李波さんの馬頭琴演奏会に行ってきました。

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馬頭琴の演奏を直に聞くのは初めてですが、その音量の豊さに驚きました。馬頭琴は西欧弦楽器の原型になったと言われており、100本以上の馬の尾の毛を張った弦から奏でられる倍音豊かな音質は、時にチェロやバイオリンかと思わせます。

津軽三味線のじょんがらに似た「万馬のとどろき」や、追分唄と同じようにリズムが無く旋律が主体の「オルテンドー」を聴いていると、日本人のルーツがモンゴルにあると言われるのも頷けます。

李波さんの巧みな日本語での紹介を織り交ぜた演奏を聴きながら、20年ほど前に内モンゴルの砂漠を訪れた時の広大な大地と星空を思い出しました。

ギターレッスン [音楽]

今日は福田進一さんのマスタークラスを聴講しました。楽しく、そしてとても勉強になるレッスンでした。ウォークマンを始めとして便利な機器が発達して、音楽がいつでもどこでも手軽に聴けるようになった一方で、「感性で受け止める」という音楽の基本を忘れがちです。今日のレッスンはそんなことを思い出させてくれるひと時でした。

福田さんはレッスンの間、最近完成したAntonio de Torres のレプリカモデルを弾いてくれましたが、美しい音色に思わず引き込まれました。

今、二本のギターを使っています。どちらもスペインの工房で製作されたものですが、1本は軽いタッチでも明るく良く響くもの、もう一本はよりふくよかで深みのある音ですが、気合いを入れて弾かないと本来の音が出ません。良い楽器は、楽器自体が持つ音を引き出すのに、それにふさわしい演奏者の力量が求められます。しっかりしたタッチで丁寧に弾きこんで、ようやく楽器本来の持つ音が奏でられるのですが、普段はついつい響きやすい楽器を手にしてしまいます。

でも、今日はギター工房でちょっと良いことを教えてもらいました。楽器はオーディオの音にも共鳴するので、良い音楽を聞かせると楽器が振動してその響きに馴染むというのです。
家に帰って、早速その手を使うことにしました。

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Paulinoくん、福田さんや John Williams の素晴らしい音楽をたくさん聞いて、いい音を覚えておくれ。

バッハな一日 [音楽]

今日は朝からレコードの整理をしました。

オーディオのツールとしては過去の遺物となったLPは、普段まず聴くことがないのに、かといって捨ててしまうのもためらわれ、ずっと部屋の片隅に置いたままになっていました。


埃を拭き取りながら角の擦り切れたジャケットを見ていると、一枚一枚に買った頃の記憶が蘇って、「やっぱり置いておこうか」などとまたまた弱気になってしまいますが、復刻版のCDが手元にあるものは思い切って捨てることにしました。

そんな作業をしながら、ついでに何枚かをプレーヤーにかけて見ました。

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一組はHermut Walcha のチェンバロ演奏による“イギリス組曲”全六曲。
生後すぐに視覚障害が現れ、16歳で完全に失明した彼は、一声ずつ歌わせるという方法で、バッハのすべての鍵盤楽曲を暗記したというから驚きます。

そしてもう一組はYosef Suk と Zuzana Ruzickova による“バイオリンとハープシコードのための六つのソナタ”

どちらも40年近く前に買って、その後度重なる引っ越しにも生き残った懐かしいレコードです。
少し焼けたパラフィン紙の袋から出してクリーナーで表面を拭き取り、そっと針を置くと、

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柔らかくふくよかな鍵盤の音に包まれました。

今ではデジタル機器が普及して、雑音のないクリアな録音が当たり前になっていますが、予想以上に澄んだ音にうれしくなって、全十二曲を堪能した「バッハな一日」でした。

ギター [音楽]

昨晩、古いアルバムを整理していると、Oscar Ghiglia (オスカー・ギリア)さんの写真が出てきました。

ギターを弾くようになったのは高校生の時、姉がギターを買ってくれたのがきっかけです。大学に入ってもしばらくそのギターを弾いていましたが、さすがに演奏会で使うには音が弱く、新しいギターを求めて堂島の楽器店に行きました。ふくよかな音色と美しい装丁の河野ギター・・・喉から手が出るほど欲しかったのですが、決して生活に余裕のある方ではなかった両親が、月々送ってくれた生活費の何倍もする高価なギターを、そうたやすく手に入れることはできません。店のご主人に「アルバイトをして何とか工面するから、しばらくは取っておいて欲しい」とお願いし、時々店を訪れては陳列ケースに残っているのを確かめて、数か月後にようやくそのギターを買うことができました。白髪のご主人は「無理をして一度に全部払わなくてもいいですよ」と、優しく言ってくれました。食費を切り詰めて随分痩せていた私の姿を見て、心配したのかもしれません。

その年の夏、Oscar Ghiglia さんのマスタークラスが東京のヤマハホールで開かれると知り、夏休みを利用して帰省し、公開レッスンを聴講しに一週間ほど通いました。

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透明ではじける鮮明な音、室内楽を思わせる和音の美しさ、フレーズ独自の色相と全体の流れの構成、バッハの作品における二声インベンションの重要性・・・それまでテクニックを身につけることで精いっぱいだった自分にとって、耳にすることのひとつひとつが新鮮でした。

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最終日のレッスンが終わった後、勇気を出してサインをお願いすると、哲学的な風貌の彼は温和な表情で、私の差し出した練習曲集にペンを走らせてくれました。

あれから長い月日が経ち、Oscar Ghiglia さんは指導者としてギター界の多くの逸材に影響を与え、一方、E弦の高音フレットの音が微妙にずれ始めた私の河野ギターは、役目を終えてお蔵入りとなりました。

津軽三味線 [音楽]

もう二十年ほど前になりますが、初代高橋竹山さんの三味線を聴きに行ったことがあります。骨太の手にバチを持ち、訥々とした津軽弁の語りとともに弾かれた三味線は強く記憶に残っています。

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今日は大学以来の友人夫妻を誘って、石岡の柴間で開かれた高橋竹童さんの演奏会を聴きに行きました。津軽三味線といえば活きの良い「じょんがら節」が有名ですが、三下がりや秋田音頭なども味わいがあって良いものです。

途中、尺八で津軽山唄を聞かせてくれました。吹きすさぶ風の音にも似た尺八の息遣いは、津軽の風景を彷彿とさせます。まだ名もない十代後半から門付けで糧を得ていた初代竹山さんは、湿気に弱い三味線が弾けない雨の日は、代わりに尺八を吹いたそうです。三味線の弾き手が尺八も吹くとは多芸だなぁと思っていましたが、そんないきさつを聞くと竹山さんの生きざまが偲ばれて、感慨深いものがあります。

最初は「何でまた唐突に三味線なんか」と言っていたクラシック一辺倒のK君ですが、最後まで退屈せずに聴いていたようです。

Mariza - Fado [音楽]

少しほこりをかぶったケースから久しぶりにギターを取り出し、弦をはじくと懐かしい音が部屋いっぱいに広がりました。

タンゴがアルゼンチンの人々の心であるように、フラメンコがスペインロマの悲しみや喜びをギターとともに体現するように、ファドはポルトガルの人々の魂の叫びを歌い上げます。20代で既に ファドの至宝 Amalia Rodrigues の再来と称された Mariza の歌声に初めて触れた時、日本から遠い地球の反対側にあるのに、その歌声に魂が包み込まれるような熱い感覚を覚えました。

あれから8年、更に円熟味を増した Mariza は、新たな感動を与えてくれます。

従箱子好久拿出弾吉他。
Tango是阿根廷人的熱情、安達魯西亞舞表現西班牙吉普賽人的悲哀與歓喜。
而Fado唱葡萄牙人的心魂。
我第一次聽 Mariza 的歌唱時、感覚到我好像被包她歌的裡面似的。
她在一直給我們重新感動。



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